まだ暗い中、目を擦りながら、青島は携帯電話を取った。
誰からだ…ああ、亀山さんからだ。
「おはようございます」
「帝都中央ホテル東館で籠城事件発生。犯人はどうやら安藤一之」
青島は飛び起きた。
安藤…本当に事件を起しやがったのか。
「皆さんは…」
「俺はまだ自宅。右京さんはもう現場に向かってるらしいけど」
「俺は何処に…?」
「現場直行…いや、銃の携帯命令が出たから、一度本庁に」
「わかりました」
夜は雪平さんに付き合わされて、まだ2時間も寝てないのに…。
体を起こすと、見慣れない部屋にいた。
驚いて目が覚めてしまったではないか。
青島は注意深くあたりを見回した。
まもなく、携帯電話が鳴った。
電話を開く音の後に聞こえた声は。
「はい雪平」
…右を向くと、そこには雪平が寝ていた。
しかも全裸。
青島は目のやり場に困った。
だがのんびりもしてられない。
手探りで服を探したが…どうやら自分で着ているようだった。
「雪平…さん?」
雪平は起き上がり、青島を向いた。
「なにやってんの、急ぎなさい」
「いえ…雪平さん、いつの間にここへ?」
「あんたが寝てるから連れてきてやったんだろうが。少しは感謝しなさい。」
青島は腑に落ちなかった。
気が付くと、雪平はいつもの格好だった。
「追いてくよ」
「ああ…はい」
青島は黒のバッグを取り上げ、大急ぎで雪平の後を追った。

「籠城事件だ。帝都中央ホテル西館に前線指揮所を置く。」
刑事部長の内村の声が、警視庁に響いた。
「主任管理官は…大河内、お前にチャンスをやろう。」
大河内は目を見開いた。
「前回の失敗を取り戻せ。お前の好きにして良い。」
「は…」
部屋を出た大河内は、携帯電話を取り出した。
「大河内です、あなたに頼みたいことがある」
「はい?」
杉下は電話の向こうでいつもの声を出していた。
「帝都ホテル籠城事件の指揮官は私が貰いました。杉下さんには私の補佐をお願いしたい」
「刑事部長から止められるのでは?」
「全権を私に委ねられました。だれも私の邪魔はさせません。」
電話の向こうで杉下は笑っていた。
「現場の状態、犯人の人数や要求は何一つ分かっていません。現場に向かってから対処します。」
「大河内さん」
「はい?」
「一つだけ可能性があります。それを排除してからそちらに向かいますが、よろしいですか?」
「勿論です。」
「ありがとうございます。」
大河内は足を早めた。

「右京さん、どうしますか」
「犯人の目星は付いています。その確認に行きましょう」
「わかりました」
杉下はコートを手に取った。
「ああ、亀山君」
「はい」
「2人に連絡を、安藤さんの死亡現場に向かってくださいと」
「わかりました」
亀山は電話を手に取った。
正直、杉下にも確証はなかった。
しかし、ここまで来ればもう賭けに近かった。




ブログランキング
あなたへの復讐が始まりました。
さあ、私の目の前に出てきて下さい。
そこがあなたの墓場ですから。

by silent647 | 2008-02-28 18:59 | 小説の話 | Trackback | Comments(0)

トラックバックURL : http://sarvice.exblog.jp/tb/8337484
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
名前 :
URL :
非公開コメント
削除用パスワード設定 :

< 前のページ  次のページ >